2023 年 21 巻 4 号 p. 498-503
本稿の目的は、まちづくりの中に、社会的な価値の変化を受けた新しい価値を見出すことである。特に、地球環境の危機と世界的な格差の拡大は、日常の暮らしの舞台であるまちとも深く関連しており、これらに関する新しい価値が、まちづくりの活動に懐胎されているのではないか、というのが本研究の仮説である。研究の方法としては、まちづくりを実践されている人のインタビューから、一般には明確に言語化されていない価値を抽出する、というプロセスを採る。研究結果として、13の新しい価値が言語化され、持続可能な世界に向けた重要な価値をまちづくりが内包していることが明らかになった。