都市農地保全の重要性が認識される中、本研究では、東京都町田市の市街化区域内農地を対象として、農地転用の実態把握とその立地特性を土地利用GISデータを用いて経時的に把握した。結果、農地は年平均0.9~3.3%で主に住宅地に転用されており、1974~1989年は周辺緑地率が高い農地が転用されやすく、2007~2017年は逆の傾向となっていた。このことは、過去は周囲の緑地も含む大規模な宅地造成が行われ、現在は緑地の少ない市街地内に残存する農地が開発の対象となっている可能性を示唆している。近年、緑地の少ない市街地で農地の転用が進行する傾向にあることは憂慮すべきであり、効果的な保全策を講じる必要がある。