ニュージーランドのカンタベリー地震は、クライストチャーチ市の中心部に大きな被害を及ぼした。クライストチャーチ市役所へのヒアリング調査、市中心部の復興計画の文献調査、現地調査を通して、本稿では、復興計画の内容を概括し、地震後12年を経過した2023年9月時点の計画の実現状況を報告する。市の中心部を集中して復興させるため、FrameとCore、17の重点プロジェクトが設定され、Frameの外周にある複数の大型拠点づくりと、Frame内は低層な建築物を中心としたコンパクトな都市づくりが進められている。復興計画の実現をサポートするデザインガイドによって、きめ細やかな公共空間のデザインがなされ、歩行者が滞留・回遊しやすい空間が実現されている。