2024 年 23 巻 2 号 p. 266-
少子高齢化が進行する中で、子育てがしやすい良質な住宅の確保が求められている。多様なニーズに対応できる賃貸住宅ストックを形成するためには、さまざまな属性に基づく賃貸物件選択の条件を明らかにすることが必要である。本稿では、性別および子どもの有無による賃貸物件選択の差異を明らかにすることを目的とし、Webアンケート調査を実施した。分析の結果、子どもがいる場合は、防犯性が高いこと、1階であること、生活スペースが広いこと等について考慮していることが明らかとなった。賃貸物件の防犯性を向上させることは、女性だけではなく、将来子どもを持つ可能性のある男性への配慮にもつながると考えられる。