都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
戸建て住宅地の耐水化に関する費用便益分析手法の提示とその限界の検証
永末 圭佑似内 遼一真鍋 陸太郎村山 顕人
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2025 年 23 巻 4 号 p. 545-

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抄録

都市計画による市街地の水害対策の一施策として、住宅の高床化など市街地の耐水化が存在する。その推進の上では、費用便益費などに基づく客観的な合理性が求められるが、その分析手法は曖昧となっている。そこで本研究では、市街地耐水化の効果を予測するシミュレータを構築し、2つの地区を例に適用した上で、シミュレータの限界の検証を行った。結果、現在得られるデータに基づく費用便益分析手法を提示できたが、そこでは耐水化住宅の性能や、浸水の頻度や浸水深などデータの不足による限界も大きかった。今後は、建築分野や河川・土木分野の貢献によるデータ拡充が求められるほか、地区の水害対策について、費用便益分析以外も網羅した、分野横断的かつ統合的なアプローチが重要となる。

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© 日本都市計画学会
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