都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
避難指示文の指示内容と文末表現の組み合わせが避難行動に及ぼす影響
飯塚 裕介小林 桃子
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2025 年 23 巻 4 号 p. 553-

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抄録

本研究は、災害情報における指示内容と文末表現の組み合わせが、人々の避難行動に与える影響を調査し、メタメッセージを考慮した適切な表現を明らかにすることを目的とする。東京都内の大学生を対象にアンケート調査を実施し、指示内容(5種)と文末表現(5種)を組み合わせた25種類の避難指示文に対する避難意識を5段階で評価した。その結果、「命を守る行動を取る」「逃げる」「避難する」といった指示内容や、命令形・丁寧な文末表現が避難意識を高める傾向にあることがわかった。しかし、指示内容と文末表現の組み合わせによっては相乗効果が見られない場合もあり、「避難する」に命令形を組み合わせると効果が高い一方、推奨・依頼の表現では効果が低下するなどの例が見られた。このことから、災害情報を効果的に伝達するためには、指示内容と文末表現を適切に組み合わせることが重要であることが示唆された。

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© 日本都市計画学会
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