本研究の目的は、熊本市中心市街地地区をケーススタディとして、行政計画及びエリアビジョン等からみたパブリックスペース活用の戦略と、社会実験及びイベント実施等からみたパブリックスペース活用の戦術を複合分析し、戦術の戦略化に向けた複数のパブリックスペース活用手法を明らかにすることである。研究方法として、文献調査、自治体及び管理運営者に対するヒアリング調査を実施した。研究の結果、複数のパブリックスペース活用における戦略・戦術を位置づける効果及び公民が担う役割が知見として得られた。本研究の結論として、戦略・戦術の双方のアプローチが相互に補完し合うことで、パブリックスペースの活用は単発的な取組にとどまらず、地域の実情に応じた空間づくりの実現に寄与すると考える。