2006 年 5 巻 2 号 p. 63-68
本研究は,トランジットモールの導入にともない歩行者が道路を横切る抵抗がどのように変化し,街路空間での移動がどの程度自由になるかを把握することを目的とする.トランジットモール社会実験が行われた沖縄県那覇市国際通りを事例とした.まず,歩行者の道路横断の様子を観察し,横断歩道以外の横断も考慮した現況の歩行者の横断をモデル化し,横断時間の期待値を算出した.一方でトランジットモール時の横断時間の期待値を理論モデルから算出した.この理論モデルの信頼性を現況への適用によって確認したうえで,トランジットモール導入の効果を計算したところ,横断時間の期待値が半分以下に減少することが明らかになった.