本研究では、メディアに着目した街のイメージを扱い、各メディの特徴、並びにメディアが構築する街のイメージと実際の街との関係を明らかにすることを目的とする。そのため、飲食店を中心とした店舗情報の空間分布に着目し、雑誌とインターネットにおける街のイメージと実際の街とを比較した。比較指標として、どのジャンルの店舗、どの区域をそれぞれのメディアがどれだけ取り上げているかを示す、特化係数を算出した。分析対象は、多くの人が店舗情報を得るために利用する情報誌と、アクセスが容易で、利用者が感想を投稿できるインターネットのサイトとした。結果として、それぞれのメディアは特有の店舗類型や区域に着目しており、メディアによる街のイメージと実際の街とは異なっていることが明らかになった。