2007 年 5 巻 4 号 p. 128-134
本研究の目的は,東京都を対象に、将来的な世帯数と住宅ストック数との関係をシミュレーションによって予測することである。このため、まず住宅ストックと世帯構成の関係に着目して、既往研究の将来世帯数予測に対応する住宅の新規着工量予測シナリオを作成した。続いて、住宅ストックの寿命分布を想定して、世帯数と住宅ストックの関係をシミュレーションによって予測した。結果として次のことが判明した。現状のままの着工量が続く場合には、30 平方メートル未満の住宅が東京都心部で不足する。一方、世帯数予測に対応して着工量を調整した場合には、戸建て住宅が主に区部で老朽化し、集合住宅が下町地区で老朽化する。