理学療法学
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臨床実習におけるレポート,発表,記録等の指導に対する学生の意識
坂本 年将
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1993 年 20 巻 2 号 p. 93-99

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抄録
被教育者である学生の意見をもとに,臨床実習におけるレポート,発表,記録の指導,および実習施設のオリエンテーションのあり方について検討した。医療技術短期大学部10校の理学療法学科3年生を対象にアンケート調査を実施し,8校110名から回答を得た(回収率55%)。主な結果は以下の通りであった。
1)レポート等の指導において約60%の学生は,書式等,形式的なことよりも,その内容に関しての指導を指導者に求め,提出までは問題に直面した時のみ指導されることを望んでいた。
2)発表の指導においては,60%以上の学生が発表後の批評を最も必要とし,発表形式は症例に直接関係するものを有効と考えていた。一方,学生は文献抄読をあまり学習に有効な発表形式として認めていなかった。
3)カルテ等の記録に関しては,形式的なことに対する指導を主として求める学生と,記載した内容に関する指導を主として求める学生に二分された。しかし,実際にはカルテ等の記録に関する指導は,十分に行われていないと感じている学生が60%以上を占めた。
4)臨床実習施設の運営に関しては,その概略を知る程度でよいとする学生が60%を越えると共に,半数以上の学生は実際にもあまり説明されていないと感じていた。
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© 1993 公益社団法人 日本理学療法士協会
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