理学療法学
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報告
関節固定が筋および腱組織コラーゲンの可溶性に及ぼす影響
ラットの筋・腱組織におけるコラーゲンの生化学的分析
須釜 聡立野 勝彦灰田 信英
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1996 年 23 巻 2 号 p. 72-79

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抄録
関節拘縮発生にはコラーゲン中の架橋結合が関与し,この架橋結合はコラーゲンの可溶性に影響を及ぼす。今回我々は,ラットの足関節を7週間固定し筋および腱組織の可溶性の変化を検索しコラーゲン線維内の架橋結合の変化を推察した。その結果,ヒラメ筋については塩可溶コラーゲンとペプシン可溶化率に有意な減少を認めたが,アキレス腱については塩可溶コラーゲンに有意な減少を認めたのみであった。以上の結果から,7週間の固定により,コラーゲン線維内の架橋結合について,筋組織では架橋結合の数や強度の増加が推察されるが,腱組織では架橋結合の変化も少ないものと推察される。このことから,固定による影響は筋組織コラーゲンの方が大きいことが示唆され,組織の柔軟性の低下へつながる方向へ移行しているものと考えられる。
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© 1996 公益社団法人 日本理学療法士協会
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