理学療法学
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報告
理学療法学生の留年経験とその後の行動
伊藤 日出男上村 佐知子石川 玲
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2005 年 32 巻 3 号 p. 105-109

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抄録

1983(昭和58)年3月から15年間にH大学医療技術短期大学部理学療法学科を卒業した留年経験者29名を対象として,郵送質問紙法により留年の経験と学業を継続できた要因,および現在の理学療法士としての自己評価について調査した。調査内容は1)留年経験と学業継続の要因,2)現在の理学療法士としての自己評価であった。1)についてはあらかじめ設定した回答からの選択式とし,2)については5段階尺度で評価を依頼した。結果 : 回答は21名(理学療法士経験年数 : 平均10.1 ± 40年)から寄せられた。留年による挫折感を克服し学業を継続できた要因としては,友人や教員,家族などの周囲からの励ましと,自ら発憤したという自発的な要因が多く選択された。また留年決定後はよく勉強した,患者や家族の気持ちが理解できるようになった,など留年の経験を肯定的にとらえる意見が多かった。理学療法士としての自己評価は,教育研究面よりも臨床面と人間関係面での評価が高かった。

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© 2005 公益社団法人 日本理学療法士協会
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