理学療法学
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研究論文
ターニケットによる駆血が廃用性筋萎縮に与える影響
―ラットによる実験的研究―
前岡 美帆小野 武也梶原 博毅沖 貞明大塚 彰金井 秀作武本 秀徳島谷 康司田坂 厚志
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2009 年 36 巻 5 号 p. 275-280

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抄録

【目的】ターニケットによる駆血が廃用性筋萎縮に与える影響について検討すること。【対象】8週齢Wistar系雌性ラット40匹。【方法】実験期間の違いにより,10匹ずつ4日間グループ,7日間グループ,14日間グループ,21日間グループに分けた。そして,各グループを対照群ラット(n = 5)と実験ラット(n = 5)に分け,実験ラットの右下肢は実験初日に90分間の駆血を行い,足関節を最大底屈位に固定し(駆血後固定群),一方,左下肢は駆血を行わず足関節を最大底屈位に固定した(固定群)。筋萎縮評価にはヒラメ筋線維横断面積を用いた。【結果】ヒラメ筋線維横断面積は駆血後固定群が,全てのグループで固定群よりも有意に低値を示した。【考察】ターニケットによる駆血は廃用性筋萎縮に促進的な影響を及ぼしていたものと考えられた。

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© 2009 公益社団法人 日本理学療法士協会
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