抄録
【目的】本研究の目的は,慢性期脳卒中患者に対する体重免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)の即時効果について明らかにすること,さらに継続介入による効果と合わせて,BWSTTによって歩行能力がどのように変化していくのかを示すことである。【方法】対象は,慢性期脳卒中患者8名であった。内訳は,年齢(平均 ± 標準偏差)は59.0 ± 9.0歳,性別は男性6名・女性2名,片麻痺の原因疾患は脳出血5名・脳梗塞3名,麻痺側は右7名・左1名であった。週3回・4週間(計12回)のBWSTTを実施した。【結果】BWSTT実施前後では,歩行速度は実施前に比して後が有意に速く,歩幅は実施前に比して後が有意に広がった。継続介入による効果では,快適歩行速度,最大歩行速度,最大歩幅および最大歩行率で有意な改善を認めた。【結論】慢性期脳卒中片麻痺患者に対するBWSTTによる歩行速度の改善は,即時的には歩幅の改善,経時的には歩行率の改善による可能性が示唆された。