理学療法学
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研究論文
内側型変形性膝関節症患者における立ち上がり速度の関連因子の検証
天野 徹哉玉利 光太郎浅井 友詞河村 顕治
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2011 年 38 巻 5 号 p. 374-381

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抄録

【目的】本研究の目的は,内側型変形性膝関節症(内側型膝OA)患者を対象に薬物療法等の医学的処置の影響を統計的手法により取り除いたうえで,立ち上がり速度の関連因子を明らかにすることである。【方法】保存的治療中で,上肢支持なしで椅子からの立ち上がりが可能な内側型膝OA患者74名を対象とした。研究デザインは横断研究で,説明変数として膝関節周囲筋の最大等尺性筋力・立ち座り時の疼痛(VAS)と膝関節可動域の計測を行い,目的変数として5回立ち上がりテスト(TST-5)の計測を行った。また,基本属性と医学的属性である障害側(両側性または片側性)・非ステロイド抗炎症薬使用の有無・関節内注射の有無・関節穿刺排液の有無を交絡因子として扱った。統計学的処理は階層的重回帰分析による多変量解析を行った。【結果】TST-5の関連因子は,膝伸展筋力・膝屈曲筋力とVASであり(p < 0.05),これらの因子は基本属性や薬物療法等の医学的処置の影響からも独立していた。【結論】本研究の結果より,内側型膝OA患者の立ち上がりには基本属性や薬物療法等の医学的処置の影響とは独立して,膝伸展筋力・膝屈曲筋力と立ち座り時の疼痛が重要な関連因子であることが示唆された。

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© 2011 公益社団法人 日本理学療法士協会
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