理学療法学
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平成25年度研究助成報告書
シャルコー・マリー・トゥース病患者の筋疲労および筋疲労回復特性(第二報)
下井 俊典石井 雅子
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2016 年 43 巻 2 号 p. 156-157

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抄録

【目的】本研究では,運動課題中の筋電位および筋出力様態からシャルコー・マリー・トゥース病(以下,CMT)患者の筋疲労特性を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は18 名のCMT 患者である。筋疲労課題は,右肘屈曲の等尺性収縮課題とした。同課題の遂行時間および課題中の筋出力を測定するとともに,表面筋電計を用いて同課題中の筋電位を対象側の上腕二頭筋から導出した。同課題中における中央パワー周波数(以下,MdPF),平均振幅(以下,RMS),神経筋効率(以下,NME)の変化様態を検討した。【結果】18 名の対象のうち17 名の筋疲労課題中の筋出力,MdPF が低下した。対して18 名中6 名について,他の12 名と比べて筋疲労課題中のRMS が有意に低下した(p <0.05)。課題遂行時間,自覚的疲労感,CMT 病型・性別・年齢などの属性についてはこの6名の対象と他の12名との間に統計学的に有意な差や偏りは認められなかった。【考察】一部のCMT 患者でMdPF の徐波化や筋出力の低下といった筋疲労所見が認められる一方で,RMS が低下する所見が認められた。その理由として運動単位の動員障がいが考えられる。

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© 2016 公益社団法人 日本理学療法士協会
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