2026 年 53 巻 5 号 p. 337-346
【目的】わが国の理学療法教育で卒後教育現場の指導者に求められるコンピテンシーは明らかでない。本研究は,学習者の認識から指導者が備えるべきコンピテンシーを明らかにすることを目的とした。【方法】学習者のオンラインフォーカスグループの逐語録を作成し,modified grounded theory approachで分析した。【結果】21のコンピテンシーと7つのカテゴリー,3つのコア・カテゴリーを特定した。コア・カテゴリーで説明される良い指導者像は,〈共感的態度〉を基盤とした〈理学療法士としての模範〉と〈学びの伴走者〉であり,カテゴリーでは[学習者への寄り添い]が学習者支援における学習者と指導者の関係性の特徴であった。【結論】卒後教育における理学療法士指導者には模範性に加え,学習者に寄り添い学びを支える伴走者の役割が求められることが示唆された。特に共感的態度は両者を支える基盤であり,指導者の重要なコンピテンシーとなる可能性がある。