アーキテクチャ理論では、複雑な開発プロセスを時系列で見た場合、アーキテクチャルな知識とコンポーネントの知識という二分化現象が現れるとして、経営学領域では理論化されているが、実際、この様な現象の実証例は少ない。本稿は、二分化現象の実証を目的として、無線通信技術の技術世代が変化する際の製品アーキテクチャの動静について、プロセッサ、積層セラミックコンデンサの特許出願数と、携帯電話の特許出願数について統計分析を行った。その結果、技術世代が変化する過程において、モジュール内分野の技術開発が重点的に行われる期間と、モジュール間分野の技術開発が重点的に行われる期間に二分されるという特徴が観測された。