理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
脳卒中片麻痺患者の床からの立ち上がり動作に関係する機能およびAPDLへの影響
後藤 由美横山 一弥荒井 未緒渡辺 京子内山 靖
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2001 年 16 巻 2 号 p. 59-63

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抄録

本研究は、脳卒中片麻痺患者(以下片麻痺患者)60例を対象とし、46例を立ち上がり可能 · 不可能群に分け、身体機能面の違いを明らかにし、その日常生活関連動作(以下APDL)における影響を比較 · 検討した。立ち上がり可能群は、不可能群と比較して非麻痺側下肢筋力、腹直筋筋力(以下腹筋筋力)、下肢Brunnstrom Stage(以下Br.stage)、立位バランスが有意に優れ、APDLも高値を示した。立ち上がり不可能な14例に対して通常の理学療法を2ヶ月間施行したところ、立ち上がりが可能となった例でも腹筋筋力、下肢Br.stage,非麻痺側下肢筋力、立位バランスが改善し、あわせてAPDLの得点も高くなることが分かった。これらのことから、片麻痺患者の床からの立ち上がり動作獲得には、腹筋筋力、両下肢機能、立位バランス反応が重要であり、APDLにも影響することが示された。

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© 2001 by the Society of Physical Therapy Science
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