2004 年 19 巻 2 号 p. 137-140
高齢者における脊柱後彎は,動的姿勢調節能力に影響していることが予想される。今回,脊柱後彎の定量的評価を目的とし,当院理学療法施行中の高齢患者に対し,自在曲線定規を用いたMilneらの方法をもとに座位での円背指数計測を実施し,信頼性と妥当性を検討した。その結果,級内相関係数が検者間で0.858,検者内で0.951と共に高い信頼性が得られ,観察による脊柱後彎評価との関連性はSpearmanの順位相関係数が0.819(p<0.01)と有意に高い相関が認められ,円背指数計測は臨床的に利用可能であると考えられた。また,観察による脊柱後彎評価での各段階において円背指数にばらつきが認められたことから,円背指数計測は脊柱後彎を詳細に評価できる方法として有用であることが示唆された。