理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
予後予測因子としての失禁に関する妥当性の検討
小林 修二原 瑞穂森田 秋子
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キーワード: 失禁, 予後予測, ADL
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2005 年 20 巻 2 号 p. 99-102

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抄録
本研究の目的は,脳血管障害発症後に出現する失禁が,ADLの予後予測因子として妥当性を持つか否かを実証的に明らかにすることである。116例の片麻痺患者を対象とし,まず対象を失禁群と非失禁群の2群に分類し,つぎに失禁群を消失群と持続群に層化し,いずれも入院時・3ヶ月時・6ヶ月時のバーセル・インデックスの得点を比較した。ただしバーセル・インデックスは失禁の項目を内包しているため,この改善による得点への影響を排除するため80点満点とした。失禁群の比率は64%で,その得点は入院時から6ヶ月後まで非失禁群より有意に低得点であった。失禁は失禁群と非失禁群の2群間では,ADLの予後予測因子として妥当性を持つことが明らかになった。一方入院時の失禁はその後の治療過程で変化する要素であるため,失禁群を消失群と持続群に層化した結果,消失群の予後は良好であることが明らかになった。入院時の失禁という単一因子だけでは失禁消失群の予後を十分に予測できず,入院後の変化を踏まえながら検討を加える必要性が示唆された。
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© 2005 by the Society of Physical Therapy Science
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