理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
ヒールの高さが妊婦の歩行に与える影響と妊婦の歩行の特徴
藤田 康孝上地 瑞恵上原 智佳河合 直人鈴木 眞志二宮 秀樹渡辺 重人勝平 純司藤沢 しげ子
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キーワード: 妊婦, ヒール, 歩行分析
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2006 年 21 巻 3 号 p. 287-291

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抄録
妊娠による体重増加や身体変化は歩行にさまざまな影響を及ぼす。しかし,妊婦の歩行についてバイオメカニクスの面から報告した研究はほとんどない。また,妊婦体験ジャケットを用いた先行研究では,3 cm程度のヒールで足関節底屈モーメントが減少することが報告されているが,これは実際の妊婦を対象としていない。そこで本研究では,まず妊婦と健常女性の歩行を比較し,さらに3 cm程度のヒールが実際の妊婦の歩行にどのような影響を与えているのかを検討することを目的とした。対象は妊婦3名,健常女性5名とし,ヒール高0 cmと3 cmの靴を履き,歩行パラメーターと下肢関節モーメントを床反力計と三次元動作分析装置を用いて計測した。結果より,妊婦2名で特徴的な歩行パターンが観察された。また,0 cmヒールに比べ,3 cmヒールで立脚後期の足関節底屈モーメントの減少がみられたことより,実際の妊婦においても3 cmヒールが足関節底屈筋群へかかる負担を軽減させる可能性が示唆された。
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© 2006 by the Society of Physical Therapy Science
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