理学療法科学
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Print ISSN : 1341-1667
研究論文
遅発性筋痛測定における4種類の疼痛測定法の信頼性
下井 俊典谷 浩明
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2007 年 22 巻 1 号 p. 125-131

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抄録

本研究では,2種類の主観評価結果との一致性により,遅発性筋痛(以下,DOMS)の評価における4種類の疼痛測定法の信頼性を検討することを目的とした。17名の被験者(21.1±1.8歳)に足関節背屈の遠心性収縮課題70回を施行し,DOMSを発生させた。1) VAS; 2) Talag scale; 3) Painmatcher; and 4) 自作疼痛スケール,の4種類の疼痛測定法を用いて,運動課題前,直後,24時間,48時間,72時間後の5回,DOMSを測定した。疼痛スケールを用いた測定と同時に,DOMSについて2種類の主観評価を行った。1つ目の主観評価として,前日に比べて当日のDOMSがどのように変化したかを,主観的変化と定義した。また2つ目の主観評価として,DOMSの左右差を主観的左右差と定義した。主観的変化についても,主観的左右差についても,Talag scaleが有意に高い一致率を示し,他の測定方法に比べて高いκ係数を示した。また,理解しやすさ,返答のしやすさについても,Talag scaleが最も評価が高かった。これらのことからDOMS評価における信頼性の高い疼痛測定法は,Talag scaleと考えられる。

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© 2007 by the Society of Physical Therapy Science
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