2008 年 23 巻 2 号 p. 267-273
理学療法士がICFをどの程度認知し,活用しているかを明らかにすることを目的に,茨城県の理学療法士300名に対し,ICFの認知および利用に関する状況調査を郵送アンケート法にて実施した。その結果146通(48.7%)の有効回答が得られ,ICFに関しては殆どの回答者が認知しているものの活用されていない現状が明らかにされた。臨床場面と臨床実習場面とを比べると臨床実習場面での活用が多く,ICFが学生にとって有用であることが示唆された。一方,臨床場面ではICFを概念として使用していることはなされてきているが共通言語や調査・統計ツールとしての活用は不十分であり,今後改善の余地があることが示唆された。