抄録
[目的]近赤外線分光(NIRS)法による体脂肪率,体脂肪量,除脂肪体重の信頼性を検討すること。[対象]高齢脳卒中片麻痺患者10例(男性5例,女性5例,年齢78±9歳)。[方法]複数回の測定を非麻痺側と麻痺側に分けて行い,級内相関係数(ICC)にて検者内信頼性を検討した。また,対応のあるt検定,変動係数(CV),Bland-Altman Plot(BA Plot)にて非麻痺側と麻痺側の差異を検討した。[結果]ICCは0.9以上で高い信頼性が示された。t検定では6例に非麻痺側と麻痺側で有意差が認められたが,CVには認められなかった。BA Plotは体脂肪率が低い例で誤差が生じる傾向を示した。[結語]誤差は小さく,非麻痺側と麻痺側での測定は同精度と考えられた。