理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
内側型変形性膝関節症の外部膝関節内反モーメントと疼痛,身体機能との関係
木藤 伸宏新小田 幸一金村 尚彦阿南 雅也山崎 貴博石井 慎一郎加藤 浩
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2008 年 23 巻 5 号 p. 633-640

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抄録
〔目的〕本研究は足踏み動作時の外部膝関節内反モーメントを内側型変形性膝関節症(膝OA)群と健常群で比較した。さらに膝OA群の外部膝関節内反モーメントと疼痛,身体機能との関係を明らかにすることを目的とした。〔対象〕被験者は内側型変形性膝関節症と診断された女性30名(膝OA群),健常女性18名(対照群)であった。〔方法〕動作課題とした足踏み動作を,3次元動作解析装置と床反力計を用いて計測した。疼痛と身体機能に関してはWOMACを用いて評価した。〔結果〕外部股関節内転モーメント,外部膝関節内反モーメントは膝OA群と対照群で有意な差はなかった。外部膝関節内反モーメント比率は,片脚起立期では膝OA群は対照群より有意に大きかった。片脚起立期の外部膝関節内反モーメントは,疼痛に影響を与える要因である可能性が示唆された。疼痛は身体機能に影響を与える要因であった。〔結論〕膝OAの理学療法では外部膝関節内反モーメントを減少させる治療戦略が重要であることが示唆された。
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© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
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