理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
拘縮に対するストレッチが関節包に及ぼす病理組織学的影響
─ラット膝関節4週間固定モデルを用いた検討─
渡邊 晶規細 正博由久保 弘明松崎 太郎小島 聖
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2009 年 24 巻 3 号 p. 403-409

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抄録
〔目的〕拘縮後のストレッチが関節包に及ぼす影響を病理組織学的に検討すること。〔方法〕9週齢のWistar系雄ラット14匹を用い,通常飼育のみを行う正常群,ギプス固定のみを行う拘縮群,固定後4週間の通常飼育を行う非治療群,固定後4週間ストレッチを行う治療群の4群にわけた。各群の膝関節可動域の測定と,組織標本による関節包組織の観察を行った。〔結果〕拘縮群は膠原線維束の肥厚と密性化を認め,関節包は肥厚していた。これに比べ治療群,非治療群ともに改善傾向を示したが,両群間に明らかな違いは認められなかった。一方,膝関節可動域は固定後3週以降の治療群で有意な改善を示した。〔結語〕可動域の改善に伴った関節包組織の明らかな改善は認められなかった。
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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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