抄録
〔目的〕体幹・下肢屈曲姿勢での立位において,杖の使用が体幹・下肢筋活動量に与える影響について高齢者模擬体験装具(以下,装具)を用いて検討することである。〔対象〕若年健常者12名(男性9名・女性3名,平均年齢20.0±0.7歳)を対象とした。〔方法〕自然立位(以下,条件A),装具を装着して杖は使用しない立位(以下,条件B),装具を装着して杖を使用する立位(以下,条件C)の3条件での,安静立位における筋活動量を測定した。安静立位は30秒間を測定して,中間の10秒間を解析の対象とした。検査筋は,脊柱起立筋,腹直筋,大殿筋,中殿筋,大腿直筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋とした。〔結果〕条件Aに比べて条件Bでは,抗重力筋において有意に筋活動量の増加が認められた。条件Bに比べて条件Cでは,脊柱起立筋,大殿筋,腓腹筋において有意に筋活動量の減少が認められた。条件Aに比べて条件Cでは,大殿筋,大腿二頭筋において有意に筋活動量の増加が認められた。〔結語〕体幹・下肢屈曲姿勢の立位における,筋活動量に対する杖の影響として,体幹,股関節,足関節の伸展筋の活動量を減少させることが示唆された。