理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
24 巻 , 4 号
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原著
  • 松田 雅弘, 塩田 琴美, 高梨 晃, 野北 好春, 川田 教平, 宮島 恵樹, 細田 昌孝, 渡邉 修
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 489-492
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    [目的]簡易的な腹部ベルトを使用し,重心動揺計を用いて健常高齢者の静的と動的立位バランスを明らかにすることを目的とした。[対象]神経学的・下肢に整形外科的な既往のない健常高齢者14名(平均年齢70.0±6.8歳)とした。[方法]腰痛用ベルト有り姿勢とベルトなしの立位姿勢で,重心動揺計を用いて静的と動的バランスを測定した。[結果]両群間に静的バランスで有意差は認められなかったが,動的バランスではベルトなし姿勢よりもベルト有り姿勢において重心の移動範囲が有意に大きかった。[結語]腹部ベルトで腹圧を高めることにより全身の姿勢筋緊張が整い,動的なバランスが向上したと考えられた。
  • 藤本 昌央, 信迫 悟志, 藤田 浩之, 山本 悟, 森岡 周
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 493-498
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕近年,運動イメージの想起課題がリハビリテーションの治療として応用されはじめている。対象者の歩行機能の回復は理学療法の代表的な目標となるが,歩行運動イメージ時において,高次運動関連領域を活性化されるかは一様の見解を得ていない。本研究の目的は,歩行運動イメージを想起させる方法として,レトリック言語を用いることで高次運動関連領域が効果的に活性化するかを脳機能イメージング手法によって明らかにした。〔対象〕健常成人12名(男性:2名,女性:10名,平均年齢±標準偏差:24.1±5.6歳)とした。〔方法〕条件A「歩いているイメージをしてください」,条件B「踵が柔らかい砂浜に沈み込むのを意識しながら歩いているイメージをしてください」とそれぞれ言語教示を与え,歩行運動イメージ中の脳血流量(酸素化ヘモグロビン値)の変化を捉えた。〔結果〕条件Bにおいて左背側運動前野,両補足運動野,左一次運動野において脳血流量の有意な増加が認められた。〔結語〕歩行運動イメージの想起にはレトリックを用いた言語教示によって,運動関連領域が活性化されたことが分かった。
  • 村田 伸, 甲斐 義浩, 大田尾 浩, 松永 秀俊, 冨永 浩一, 松本 武士, 吉浦 勇次, 北嶋 秀一, 角 典洋
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 499-503
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕女性高齢者の膝関節痛の有無と大腿四頭筋筋力との関連について検討した。〔対象〕整形外科医院に通院加療中の女性高齢者47名(平均年齢77.9±6.2歳),94肢とした。〔方法〕膝関節痛の有無,大腿四頭筋筋力,筋組織厚,大腿部周径を評価し,膝関節痛の有無別にそれぞれの測定値を比較した。〔結果〕膝関節に痛みがない群(45肢)の大腿四頭筋筋力は大腿部周径(r=0.56),筋組織厚(r=0.64)との間に有意な正相関が認められたが,膝関節痛有り群(49肢)の大腿四頭筋筋力は,大腿部周径や筋組織厚との間に有意な相関は認められなかった。〔結語〕今回の結果から,膝関節痛を有する高齢者の大腿四頭筋筋力の測定は,現在報告されている測定法では,潜在的に有する最大筋力を測定できない可能性があること,また,彼らの最大筋力を測定するための工夫や新たな測定方法を開発する必要性が示唆された。
  • 栗田 英明, 水上 昌文, 新田 收
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 505-508
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,重症心身障害児(者)(以下,重症児(者))における過去2年以内の肺炎既往の有無から見た呼吸機能特性を検討しその特徴を明らかにすることである。〔対象〕茨城県立医療大学附属病院にリハビリテーション目的で入院した睡眠時血中酸素飽和度が正常な重症児(者)15名とした。〔方法〕保護者に対する直接インタビューにより肺炎既往の有無を確認し,安静睡眠時の一回換気体重比,呼吸数を指標として検討を行った。〔結果〕肺炎既往がある重症児(者)では肺炎既往のない児と比べ,睡眠時の1回換気体重比では差はないが呼吸数が有意に多い状態であった。〔結語〕肺炎既往のある重症児(者)では睡眠時の呼吸数が多い状態である可能性が確認され,安静睡眠状態でも効率の悪い呼吸パターンが持続していることが唆された。
  • 村田 伸, 村田 潤, 大田尾 浩, 松永 秀俊, 大山 美智江, 豊田 謙二
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 509-515
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者を対象にウォーキングによる運動介入を行い,その介入が身体・認知・心理機能に及ぼす効果について,無作為割付け比較試験によって検討した。〔対象〕地域在住高齢者69名(平均年齢72.0±4.4歳)である。〔方法〕ウォーキングによる運動介入の前後に,身体・認知・心理機能を評価し,比較検討した。〔結果〕週3日,1回につき30分のウォーキングを12週間継続できた介入群25名の測定値は,介入後6分間歩行距離が延長し,主観的健康感,生活満足度,生きがい感といった心理面の向上が認められた。一方,その他の指標とした上下肢筋力や立位バランスなどの身体機能,および認知機能には有意差は認められなかった。なお,統制群29名におけるすべての測定値に有意差は認められなかった。〔結語〕ウォーキングによる運動介入は,地域在住高齢者の介護予防や健康増進に有用である可能性が示唆された。ただし,身体機能や認知機能を向上させるためには,本研究における介入の期間や頻度,および運動強度などの検討がさらに必要であることが明らかとなった。
  • 西上 智彦, 榎 勇人, 中尾 聡志, 野村 卓生, 奥埜 博之, 芥川 知彰, 若松 志帆, 石田 健司, 谷 俊一
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 517-521
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕内側型変形性膝関節症の歩行時におけるlateral thrustに関与する因子を検討した。〔対象〕内側型変形性膝関節症16名とした。〔方法〕加速度計にて歩行時におけるlateral thrustを加速度ピーク時間,加速度峰数,側方平均周波数を目的変数とした。膝OA Grade,大腿脛骨角,歩行速度,膝関節伸展筋力及び歩行時における内側広筋,外側広筋の筋活動態を説明変数とした。〔結果〕重回帰分析にて,加速度峰数に与える因子として内側広筋の筋活動開始時間,側方平均周波数に与える因子として外側広筋の筋活動開始から踵接地までの筋積分量がそれぞれ認められた。〔結語〕変形性膝関節症の運動療法として踵接地前の筋活動へのアプローチの必要性が示唆された。
  • 笠原 敏史, 鳥井 勇輔, 高橋 光彦, 宮本 顕二
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 523-528
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕段差昇降時の支持脚の大腿四頭筋(内側広筋と外側広筋)と床反力の関係について筋電図計と床反力計を用いて測定した。〔対象〕若年健康男性8名とした。〔結果〕内側広筋と外側広筋の筋活動は昇段動作で最も大きな値を示していた。内側広筋と外側広筋の筋活動の比率は歩行に比べ段差昇降動作で大きな値を示し,内側広筋の活動の関与を高めていた。垂直方向の床反力の値は動作間で差はみられなかったが,昇降動作時の外側方向の分力は歩行に比べ有意に低い値を示していた。内側方向の分力に動作間の差がみられなかったことから,相対的に内側方向への力が増大し,内側広筋の筋活動の増大に関連している可能性が示唆される。〔結語〕段差昇降では身体の内外側方向の安定化に内側広筋の活動が寄与していることが明らかとなり,昇降動作の理学療法ではこれらのことに考慮して行う必要がある。
  • 相馬 正之, 宮崎 純弥, 山口 和之, 舟見 敬成, 川間 健之介
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 529-533
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,段差と加齢が母指・段鼻間距離に与える影響について明らかにすることである。〔対象〕対象は健常女性,若年群10名および地域在住の高齢群10名とした。〔方法〕運動課題を対象者自身の快適歩行条件下における段差5 cm,10 cmおよび15 cmの3条件の段差昇段とし,母指・段鼻間距離などを測定した。〔結果〕二元配置分散分析の結果,異なる段差が母指・段鼻間距離に影響を与えないことや高齢群の母指・段鼻間距離が若年群より大きくなることが明らかになった。〔結語〕段差昇段時の母指・段鼻間距離は,1段目の母指・段鼻間距離からフィードバックを受け,2段目以降の後続肢の調節を行うため,段差が異なっても影響を与えないことが示唆された。
  • 河野 健一, 秋山 純和
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 535-537
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕安楽姿勢を応用した,体幹前傾を伴う上肢支持姿勢で自転車エルゴメータを駆動し,呼吸反応からその姿勢の特徴と効果を明らかにすることである。〔対象〕若年健常成人9名(年齢23.1±0.8歳)とした。〔方法〕体幹を前傾しハンドルで上肢を支持した姿勢(TF群)と,ハンドルを握った姿勢(HH群)の2群において,ATレベルで20分間の心拍数一定の定常負荷を施行し,呼吸反応を比較した。〔結果〕TF群は,呼気時間の延長を伴い呼吸数が少なく,換気効率が優れていた。〔結語〕TF群の駆動姿勢は安楽姿勢同様の身体的特徴を認め,慢性呼吸不全患者に特徴的な,浅く速い呼吸を呈する症例が自転車エルゴメータを継続するうえで有益であることが示唆された。
  • 西田 裕介, 加茂 智彦, 赤尾 吉規, 桂山 幸穂, 良知 佳保里, 久保 晃
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 539-542
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,下腿最大膨隆部の位置を明確にすることを目的とした。〔対象〕対象は,健常な10~20歳代の日本人102名(男性50名,女性52名)とした。〔方法〕下腿長は腓骨頭下端から外果中央までを測定し,その間に1 cm間隔にて印を入れた。その部位の周径を測定し,下腿最大膨隆部の位置を同定した。〔結果〕下腿最大膨隆部位において,男女間に有意差は認められず,下腿最大周径は,男性が有意に大きかった。〔結語〕以上の結果より,10~20歳代の若年健常成人では,筋肉や脂肪の量に関係なく,下腿長に対して,これらが蓄積される部位はある程度一定であることが明らかとなった。
  • 中尾 聡志, 野村 卓生, 明崎 禎輝, 山崎 裕司, 細川 公子, 宮野 伊知郎, 石田 健司, 谷 俊一
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 543-547
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肥満児の下肢筋力及びバランス能力を評価し,非肥満児と比較検討することにより肥満児の身体能力特性を把握し,運動療法プログラムの一助とすることである。〔対象〕小学生高学年(9-12歳)肥満群13名,非肥満群60名である。〔方法〕肥満群・非肥満群において,等尺性膝伸展筋力及び開眼・閉眼片脚立位時間を評価した。〔結果〕肥満群は有意に閉眼片脚立位時間が低下していたが,両群における等尺性膝伸展筋力と片脚立位時間の間に関連性は認めなかった。〔考察〕閉眼片脚立位時間が低下していた一要因として,等尺性膝伸展筋力の関与は認めず,肥満児の体型が関与していることが考えられた。肥満児に対する運動療法の考慮点として,バランストレーニングを単一的に行うのではなく,肥満体型の改善を目的とした運動療法プログラムを考慮すべきである。
  • 山下 弘二, 盛田 寛明, 伊藤 和夫
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 549-553
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,咳嗽力の指標としてPEFを測定し,非脳卒中者や嚥下障害の有無で比較するとともに,脳卒中患者のPEFに関連する因子を明らかにすることである。〔対象〕対象は,発症後6ヶ月以内の脳卒中患者46名(嚥下障害群22名,非嚥下障害群24名)と対照群として非脳卒中者24名であった。〔方法〕PEFの測定は電子ピークフローメータを用いた。本研究では脳卒中患者の咳嗽力に関連すると考えられる因子として年齢,身長,体重,BMI,Brunnstrom recovery stage,Barthel Index,血清アルブミン値,摂食・嚥下能力グレードを取り上げた。〔結果〕PEFは, 対照群,非嚥下障害群, 嚥下障害群の順に低値を認めた。体重,BMI,PEF値,血清アルブミン値,Barthel Indexは非嚥下障害群より嚥下障害群の方が有意に低い値を示した。全脳卒中患者のPEF値を目的変数にしたステップワイズ重回帰式に取り込まれた因子は,血清アルブミン値,身長,摂食・嚥下能力グレードであった。〔結語〕脳卒中患者の咳嗽力は非脳卒中者より低下しており,その原因には嚥下障害による低栄養状態が関連していることが示唆された。
  • 藤澤 真平, 金子 諒, 佐々木 誠
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 555-559
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,障害物の視覚的認知の仕方の相違(静止,接近)が歩行中(直線歩行,90 °方向転換歩行)の跨ぎ動作に及ぼす影響について明らかにすることである。〔対象〕健常な学生31名を対象とした。〔方法〕4つの条件で障害物跨ぎを行わせた。それぞれの条件で,跨いだ直後の重心動揺と跨ぐ際の足部-障害物間距離を測定した。〔結果〕圧中心軌跡は,矩形面積,実効値面積ともに,いずれの条件間でも有意な差は認められなかった。toe clearanceは,直線歩行,90°方向転換歩行ともに,静止条件より接近条件の方が有意に障害物に近い脚の運びをしていた。跨ぐ際のheel clearanceは,90°方向転換歩行において静止条件よりも接近条件の方が,また,接近条件において直線歩行よりも90 °方向転換歩行の方が,それぞれ有意に障害物に近い脚の運びをしていた。〔結語〕以上より,歩行路上の障害物に対しては,進行方向を変化させつつ接近しながら多面的に見ることで,対象物の寸法の特徴および移動中の身体運動と障害物との関係をより立体的かつ適切に認識することができ,跨ぎ動作時の精密な運動制御の向上に寄与していることが示唆された。
  • 兵頭 甲子太郎
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 561-564
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,股関節外転の等尺性収縮運動において負荷量,外転角度を変化させたとき,股関節外転筋にどのような筋電図学的変化が表れるのかを検討していくことである。〔対象〕対象は整形外科的疾患の既住のない健常成人12名とした。〔方法〕負荷量(体重の0%,2%,4%,6%)と外転角度(外転0 °,10°,20°)を変えた側臥位での股関節の外転運動を行わせ,その時の中殿筋,大殿筋上部線維,大腿筋膜張筋の筋活動を測定した。〔結果〕中殿筋では負荷量4%,外転角度20°から高い筋活動が起こり,大腿筋膜張筋では負荷量2%,外転角度10°から高い筋活動がみられた。〔結語〕股関節外転筋の等尺性外転運動では目的とする筋によって,負荷量だけでなく,どの外転角度で運動を行うかを考えていくことが重要であると考えられた。
  • 兵頭 甲子太郎
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 565-568
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,片脚ブリッジ動作と負荷を課した側臥位での股関節外転運動の筋活動を比較し,片脚ブリッジ動作の有効性について検討することである。〔対象〕対象は整形外科的疾患の既住のない健常成人12名とした。〔方法〕負荷量(体重の0%,2%,4%,6%)と外転角度(外転0 °,10°,20°)を変えた側臥位での股関節の外転運動と片脚ブリッジ動作を行い,その時の中殿筋,大殿筋上部線維,大腿筋膜張筋の筋活動を測定した。〔結果〕片脚ブリッジ動作と負荷を課した側臥位での股関節の外転運動間に大きな有意差はなく,同程度の筋活動がみられた。〔結語〕今回の結果から,股関節外転筋への筋力増強訓練として,片脚ブリッジ動作が側臥位での股関節の外転運動と同程度の有効性があると考えられた。
  • 田中 亮, 戸梶 亜紀彦
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 569-575
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,我々が開発を進めている「欲求の充足に基づく顧客満足測定尺度(Customer Satisfaction Scale based on Need Satisfaction: CSSNS)」の信頼性と内容的妥当性および基準関連妥当性を検証することである。〔方法〕顧客満足の下位概念として「有能さの欲求の充足」「自律性欲求の充足」「参加者との関係性欲求の充足」「担当者との関係性欲求の充足」「生理的欲求の充足」を想定した。CSSNSに含める計19項目を作成し,項目内容について心理学の研究者からチェックを受けた。外的基準として全体的満足度,施設の利用意向,施設の変更意向,他者への推奨意向を測定した。リハビリテーションサービスの利用者250名のデータを用いて,探索的因子分析,信頼性分析,相関分析を行った。〔結果〕探索的因子分析の結果,想定された5因子が抽出された.信頼性分析の結果,下位尺度のα係数は .799以上であり,CSSNS全体は.882であった。相関分析の結果,CSSNSの合計得点と各外的基準の得点との相関係数はすべて有意であり,相関係数は.325から.452の範囲にあった。〔結論〕以上より,CSSNSの信頼性と内容的妥当性および基準関連妥当性が検証された。
  • 田坂 厚志, 沖 貞明, 田中 聡, 島谷 康司, 長谷川 正哉, 金井 秀作, 小野 武也, 大塚 彰, 坂口 顕
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 577-580
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波療法の客観的な有効性を明らかにするために,動物実験を行った。〔対象〕実験には10週齢の雌Wistar系ラットを16匹用いた。〔方法〕右足関節をギプス固定し,1日1回固定を除去して超音波照射後にトレッドミルで走行を行わせる超音波群(8匹)と1日1回固定を除去し超音波を照射せずにトレッドミル走行を行わせる対照群(8匹)の2群に分けた。〔結果〕個々のラットにおける実験開始前と実験開始1週間後の足関節背屈角度の変化をもって2群を比較したところ,超音波群では42.5±6.0度,対照群では51.2±11.7度となり,超音波群は角度変化が有意に少なかった。〔結語〕関節拘縮発生抑制効果に関する超音波の有効性が確認できた。
  • 奥 壽郎, 廣瀬 昇, 加藤 宗規, 丸山 仁司
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 581-585
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕体幹・下肢屈曲姿勢での立位において,杖の使用が体幹・下肢筋活動量に与える影響について高齢者模擬体験装具(以下,装具)を用いて検討することである。〔対象〕若年健常者12名(男性9名・女性3名,平均年齢20.0±0.7歳)を対象とした。〔方法〕自然立位(以下,条件A),装具を装着して杖は使用しない立位(以下,条件B),装具を装着して杖を使用する立位(以下,条件C)の3条件での,安静立位における筋活動量を測定した。安静立位は30秒間を測定して,中間の10秒間を解析の対象とした。検査筋は,脊柱起立筋,腹直筋,大殿筋,中殿筋,大腿直筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋とした。〔結果〕条件Aに比べて条件Bでは,抗重力筋において有意に筋活動量の増加が認められた。条件Bに比べて条件Cでは,脊柱起立筋,大殿筋,腓腹筋において有意に筋活動量の減少が認められた。条件Aに比べて条件Cでは,大殿筋,大腿二頭筋において有意に筋活動量の増加が認められた。〔結語〕体幹・下肢屈曲姿勢の立位における,筋活動量に対する杖の影響として,体幹,股関節,足関節の伸展筋の活動量を減少させることが示唆された。
  • 関川 清一, 髻谷 満, 野島 秀樹, 渡邉 浩, 山根 公則, 高橋 真, 稲水 惇, 大成 浄志, 河野 修興
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 587-592
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕2型糖尿病患者において運動指導による運動に対する変容ステージの変化を明らかにするために,運動指導前後での運動に対する変容ステージと心理社会的要因について検討した。〔方法〕外来通院中の2型糖尿病患者71名を対象に運動指導を実施し,指導前および指導後6ヶ月での運動に対する変容ステージ(前熟考期・熟考期・準備期・実行期・維持期),自己効力,意思決定バランスを調査した。〔結果〕運動指導により対象者の運動に対する変容ステージは実行期,維持期の割合が増加した。また指導後6ヶ月時点での運動に対する自覚的阻害要因の中で,「時間の制約」は準備期,実行期に比較して維持期の得点が有意に低値を,「怠惰性」では維持期において実行期よりも有意に低値を示した。〔考察〕運動に対する変容ステージが低い段階にある2型糖尿病患者の運動に対する行動変容のためには,運動に対する負担感を減らす働きかけが必要であることが示唆された。
  • 八谷 瑞紀, 村田 伸, 大田尾 浩, 有馬 幸史, 溝上 昭宏
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 593-597
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中片麻痺患者の起き上がり動作を定量的に評価し,上下肢ならびに体幹の機能との関連を検討した。〔対象〕片麻痺患者20名(平均年齢65.4±11.3歳)を対象とした。〔方法〕非麻痺側機能としての握力と大腿四頭筋筋力,麻痺側機能であるBrunnstrom stage,体幹機能をTrunk control testによって測定し,起き上がり所要時間との関連を検討した。〔結果〕単相関分析および重回帰分析によって,起き上がり所要時間に影響を及ぼす要因として抽出されたのは非麻痺側下肢筋力と体幹機能であった。〔結語〕起き上がり動作には麻痺側上下肢の機能より,非麻痺側機能や体幹機能の影響が大きいことが示され,片麻痺患者の起き上がり動作をスムーズにするためには,非麻痺側機能や体幹機能の向上を目的とした理学療法アプローチの重要性が示唆された。
  • 竹内 伸行, 横澤 栄里, 桑原 岳哉, 臼田 滋
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 599-604
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕直線偏光近赤外線(linear polarized near-infrared ray;LPNR)の筋緊張抑制効果と病態の関連性から,より効果的な照射法を明らかにすること。〔対象〕脳血管障害患者42名。〔方法〕対象を神経照射群,筋腹照射群,対照群に無作為に割り付け,LPNRの照射前,照射直後,照射5日後,照射休止5日後に下腿三頭筋のR1とR2を測定し照射前に対する変化量を算出した。罹患日数の違い(短期群,長期群)とquality of muscle reaction(QMR)の違い(2以下の群,3以上の群[筋緊張亢進の程度が小さい群と大きい群])でサブグループを設定し各変化量を群間比較した。〔結果〕反射性要素を反映するR1の即時効果において,神経照射群の短期群が有意に高値を認め,他は照射部位の違いに効果の差を認めたが罹患日数とQMRの違いには効果の差を認めなかった。〔結語〕罹患日数が短い対象の反射性要素抑制には神経照射が有効と示唆された。
  • 甲斐 義浩, 村田 伸, 竹井 和人
    原稿種別: 原 著
    2009 年 24 巻 4 号 p. 605-608
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕表面筋電図を用いて三角筋(前部,中部,後部線維)の筋活動の特徴について検討する。〔対象〕健常成人男性16名16肩(平均年齢22.9±2.9歳)。〔方法〕最大等尺性随意収縮(MVC)および50%,25%MVC時における,三角筋各線維の積分筋電(IEMG)および中央周波数(MdPF)を求め,これらを各%MVC間にて比較した。〔結果〕すべての線維において,%MVCの減少に伴い有意なIEMGの減少が認められた。前部および中部線維は,%MVCの減少に伴い有意にMdPFの上昇を認めた。一方,後部線維は各収縮強度において有意な差は認められなかった。〔結語〕三角筋は随意収縮強度と中央周波数との間に特異性があること,outer muscleとして役割のみならず,持続性も兼ね備えた活動性を有する筋である可能性が推察された。
症例研究
  • 原田 光明, 佐野 岳, 水上 昌文, 居村 茂幸
    原稿種別: 症例研究
    2009 年 24 巻 4 号 p. 609-611
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕重症心身障害児(者)(以下,重症児(者))は長期間にわたり臥位姿勢で過ごす時間が多く,筋緊張の不均衡や重力の影響により,二次障害として側彎や胸郭の変形などを併発しやすい。また重度の側彎症に伴い胸郭の変形が非対称性に進行してくる等の報告がある。しかし,臨床上において胸郭変形は視診的評価が主であり,客観的評価がなされていないのが現状である。そこで本研究において胸郭扁平率を用いて胸郭変形を検討することを目的とした。〔対象〕重症児(者)17名(平均年齢42.12±9.82歳)と健常成人18名(平均年齢40.56±10.05歳)とした。〔方法〕本研究ではGoldsmithらが考案,今川らが提唱している定量的胸郭扁平率について検討した。〔結果〕胸郭扁平率の平均は,重症児(者):0.63±0.08,健常成人:0.72±0.06であり,重症児(者)にて有意に低値を示した。また重症児(者)の胸郭扁平率は体重との間に有意な相関が認められた(r=0.463)。しかし,身長,BMIとの間には相関は認められなかった。〔結語〕このように胸郭扁平率は健常者に比べて,重症児(者)で低下する傾向にあったことから,胸郭扁平率は胸部変形を反映する指標となりうる可能性が示唆された。また今後の研究課題として症例数の増加による胸郭扁平率の数値的意味の検討,拘束性換気障害との関連性の検討が必要と考えられた。
  • 西上 智彦, 若松 志帆, 榎 勇人, 中尾 聡志, 芥川 知彰, 石田 健司, 谷 俊一
    原稿種別: 症例研究
    2009 年 24 巻 4 号 p. 613-615
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕今回,両側変形性股関節症に対して片側人工股関節置換術を施行した症例において,非術側の疼痛に対して股関節牽引療法を行った経過を報告する。〔対象〕症例は50歳代の女性で両側末期変形性股関節症であり,術前の歩行はT字杖使用にて500 m程度可能であった。〔方法〕評価項目は知覚・痛覚定量分析装置による痛み度及び10 m自由歩行速度とした。〔結果〕経過,術後1週目でT字杖歩行開始,術後3週目で自宅退院となり退院1週後には職場復帰が可能となった。非術側の痛み及び10 m自由歩行速度は股関節牽引療法後に改善した。〔結語〕今後,両側変形性股関節症における片側人工股関節置換術施行時には非術側の股関節牽引療法をクリニカルパスに組み込むことでより円滑に退院することが期待できる。
総説
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