理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
地域高齢者の障害物を跨ぐ際における足尖・障害物間距離と転倒経験の有無と主観的つまずき易さの関係について
相馬 正之島村 亮太安彦 鉄平植松 寿志川間 健之介
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2009 年 24 巻 5 号 p. 703-707

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抄録
〔目的〕本研究の目的は,高齢者における障害物を跨ぐ際の足尖・障害物間距離と転倒経験の有無と主観的つまずき易さとの関係について明らかにすることである。〔対象〕対象は健常女性,地域在住の高齢者30名とした。〔方法〕調査・測定項目は,聞き取り調査と障害物を跨ぐ運動課題とした。聞き取り調査は,過去1年間の転倒経験の有無と主観的なつまずき易さを聴取した。障害物を跨ぐ運動課題は,9 m歩行路の中間地点に設置された木製の高さ2 cm,幅80 cm,奥行き15 cmの障害物跨ぎ動作とし,足尖・障害物間距離を測定した。〔結果〕聞き取り調査の結果から転倒経験群,転倒未経験群,主観的つまずき易さあり群,なし群に分類し,それぞれMann-whitneyのU検定を行った結果,足尖・障害物間距離に有意差が認められなかった。〔結語〕転倒経験や主観的つまずき易さは,足尖・障害物間距離の減少ではなく,間接的に他の要因と重なることで生じることが示唆された。
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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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