2010 年 25 巻 5 号 p. 729-734
〔目的〕軽度頸髄症に対する手術を受けた人において異常感覚が日常生活に悪影響を及ぼしているかどうかを明らかにすることを目的とした。〔対象〕術後に歩行が安定していた35人とした。方法:下肢の異常感覚の強度,日常生活活動(ADL)に対する困難感,活動量を質問紙にて調査し,各調査項目間の関連を統計学的に検証した。〔結果〕回答率は74.3%(26人(男性19人,女性7人),62.0±10.6歳)であった。異常感覚の強度とADLに対する困難感との間には中等度の有意な相関がみられたが,異常感覚が強かった1人を除外すると有意な相関はみられなくなった。〔結語〕軽度頸髄症に対する手術を受けた人の大多数では異常感覚は日常生活にほとんど悪影響を及ぼしていなかった。