理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
軽度頸髄症において術後遺残した異常感覚は日常生活にほとんど悪影響を及ぼさない
樋口 大輔新谷 和文真鍋 和井野 正剛
著者情報
キーワード: 頸髄症, 異常感覚, 日常生活
ジャーナル フリー

2010 年 25 巻 5 号 p. 729-734

詳細
抄録

〔目的〕軽度頸髄症に対する手術を受けた人において異常感覚が日常生活に悪影響を及ぼしているかどうかを明らかにすることを目的とした。〔対象〕術後に歩行が安定していた35人とした。方法:下肢の異常感覚の強度,日常生活活動(ADL)に対する困難感,活動量を質問紙にて調査し,各調査項目間の関連を統計学的に検証した。〔結果〕回答率は74.3%(26人(男性19人,女性7人),62.0±10.6歳)であった。異常感覚の強度とADLに対する困難感との間には中等度の有意な相関がみられたが,異常感覚が強かった1人を除外すると有意な相関はみられなくなった。〔結語〕軽度頸髄症に対する手術を受けた人の大多数では異常感覚は日常生活にほとんど悪影響を及ぼしていなかった。

著者関連情報
© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top