抄録
〔目的〕本研究は,Frail CS-10の有用性を検討するために,ADLとの関連について検討した。〔対象〕虚弱もしくは軽度要介護高齢者159名(男性65名,女性94名)とした。〔方法〕Frail CS-10と大腿四頭筋筋力について,FIM-MならびにFIM-M下位項目との関連をスピアマンの順位相関係数を用いて性別毎に検討した。〔結果〕Frail CS-10と大腿四頭筋筋力は,男女ともに今回評価したFIM-MおよびすべてのFIM-M下位項目とそれぞれ有意な相関が認められた。ただし,その相関係数から関連の強さを判断すると,FIM-Mのすべての項目でFrail CS-10の方が大腿四頭筋筋力よりも関連が強かった。〔結語〕従来から下肢機能の代表値として用いられている大腿四頭筋筋力よりもFrail CS-10の方が,虚弱高齢者のADLとより関連することが示唆された。