抄録
〔目的〕国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)の活動制限の評価点について「活動と参加の基準(暫定案)」を使用し,検者間の信頼性を検討する。〔対象〕障害者支援施設に入所する脳血管障害者10名を対象とした。〔方法〕理学療法士2名が機能的自立度評価表(Functional Independence Measure:FIM)の評価項目を対応するICFの活動コードに分類した後,施設常勤看護師と非常勤理学療法士の2名がフローチャート式FIM質問紙および「活動と参加の基準(暫定案)」に示された採点基準を用い,対象者の活動制限についてそれぞれ採点し,各評価項目のweighted κを求めた。〔結果〕FIMの各項目のweighted κは0.44~1.00であり,ICFの各項目のweighted κは0.50~1.00であった。ともに70% 以上の項目で「substantial」以上の高い信頼性を得た。〔結語〕「活動と参加の基準(暫定案)」による採点基準を用いることで,ICFの活動制限の評価点は臨床においても十分活用できる可能性のあることが示唆された。