理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
車椅子のリクライニング角度が呼吸機能,および呼吸筋活動に及ぼす影響
佐々木 賢太郎神谷 晃央丸尾 朝之木村 剛
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2012 年 27 巻 1 号 p. 7-10

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抄録

〔目的〕車椅子のリクライニング角度が呼吸機能,および呼吸機能測定中の呼吸筋活動に及ぼす影響を検討することであった.〔対象〕健常男子大学生27名.〔方法〕車椅子のリクライニング条件として,最も快適と感じる角度(BASE),それより10°前傾(FORWARD),10°後傾(BACKWARD)の3条件を設定した.呼吸機能と呼吸筋の筋活動を測定し,条件間で比較した.〔結果〕呼吸機能は,ERVにおいてFORWARD条件が他2条件よりも有意に増大した.スパイロメトリー中の筋活動については,最大呼気相において外腹斜筋の筋活動はリクライニングの角度条件間に差が認められた.〔結語〕搭乗者が快適と感じるリクライニング角度よりもわずかに前傾することで,外腹斜筋の活動が増加し,ERVが増大する可能性が示唆された.

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© 2012 by the Society of Physical Therapy Science
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