2012 年 27 巻 2 号 p. 115-118
〔目的〕胸椎の後弯を評価する可能性を探るために,デジタル傾斜計を用いて測定した胸椎後弯角とデジタル画像解析により計測した胸椎後弯角の関係,測定値の一致度を明らかにすることとした.〔対象]健常若年女性79名(平均年齢±標準偏差20.2±1.8歳)とした.〔方法〕直立位の胸椎後弯角を,デジタル画像解析およびデジタル傾斜計を用いて測定し,これらの値の関係をPearson積率相関分析および線形回帰分析により分析した.〔結果〕デジタル傾斜計を用いて測定した胸椎後弯角は,デジタル画像解析により計測した胸椎後弯角と有意な相関を示し(r=0.66),線形回帰分析により導かれた式によりデジタル傾斜計による測定値をデジタル画像解析による測定値に補正することができた.〔結論〕デジタル傾斜計は,臨床で胸椎後弯角を簡便に測定できる機器である可能性が示された.