2012 年 27 巻 2 号 p. 151-154
〔目的〕振動刺激を負荷する部位の違いが骨格筋の筋緊張に及ぼす影響を明らかにする.〔対象〕下肢に神経障害の既往がない健常男性15名.〔方法〕周波数76.6 Hz,振幅2 mmの振動刺激を用いて左下腿三頭筋の腱部あるいは筋腹部に3分間の振動刺激を行った.振動刺激前後のH波とM波の最大振幅の値から算出された最大振幅比(Hmax / Mmax)により,下腿三頭筋の筋緊張の状態を評価した.〔結果〕下腿三頭筋の腱部あるいは筋腹部に振動刺激を負荷すると最大振幅比は低下した.刺激部位で比較すると,腱部に振動刺激を負荷した場合に最大振幅比の低下は大きかった.〔結語〕負荷する部位にかかわらず,振動刺激は骨格筋の筋緊張を抑制し,臨床において振動刺激の適応が拡大することが示唆された.