2012 年 27 巻 4 号 p. 445-449
〔目的〕本研究は,バランス因子を問われるスポーツ種目従事者と一般の者における綱を活用した動的一過性技術練習が,閉眼片足立ち時間,綱渡り距離と時間に及ぼす影響を検討した.〔対象〕アイスホッケー男子国体選手7人(平均年齢21.3歳)と一般男子9人(平均年齢24.7歳)とした.〔方法〕綱上を歩く練習を実施し,その前後において閉眼片足立ち時間,および綱上を渡る距離と時間を測った.綱渡り距離と片足立ち時間の比較は,群内は対応のあるt検定で,群間はWelchのt検定で評価した.〔結果〕練習前後で,選手群は左足による閉眼片足立ち,綱渡り距離,時間が有意に増加した.一般群は,綱渡り距離と時間が顕著に増加した.〔結語〕今後は,安全で効果的なバランスプログラム作成へと進めたい.