抄録
〔目的〕手関節に装着した携帯型加速度計の24時間記録によるカウント数から算出された側性係数(acti-LQ)を用い,上肢機能の左右差を評価することを目的とした.〔対象〕健常者40名(実験1)と,さらにそのうちの右利き15名(実験2).〔方法〕実験1:質問紙での利き手の程度とacti-LQとの相関を調べた.実験2:1)制限なし,2) 右手関節または3)肘関節のサポーターによる可動域制限の3つの条件下で得られたacti -LQを比較した.〔結果〕実験1:既存の利き手スケールとacti-LQに有意な相関を認めた.実験2:肘関節制限でacti-LQが有意に減少した.〔結語〕加速度計の記録から算出されたacti-LQは,肘関節制限を来す運動器疾患における機能的左右差の評価に有用である.