抄録
〔目的〕脳卒中片麻痺者がまたぎ動作の際に関連が強い要因について検討した.〔対象〕屋外歩行自立の維持期脳卒中片麻痺者18名.〔方法〕障害物の高さを転子果長の10,20,30%に設定し,障害物またぎ動作を測定した.最大にまたげた高さに対し,麻痺側・非麻痺側膝伸展筋力,麻痺側および非麻痺側の片脚立位時間,Trunk Impairment Scale (TIS)の得点,罹病期間,年齢との関係について,各々単回帰分析を行った.最大にまたげた高さを目的変数,分析で決定係数R2が高かった上位4項目を説明変数とし,重回帰分析を行なった.〔結果〕TISと非麻痺側膝伸展筋力が説明変数として選択され,寄与率は71.9%であった.〔結語〕またぎ動作の遂行には今回の項目では体幹機能が最も関与していることが示唆された.