抄録
〔目的〕股関節屈曲角度の増加が,投手のwind-up姿勢でのバランス能力に及ぼす影響を解明することである.〔対象〕大学野球投手12名と,野球経験のない健常男性12名とした.〔方法〕投手と健常男性では,股関節屈曲角度を投手の通常の投球動作における角度に,投手ではさらに,可能な範囲での最大角度に設定し,これらの条件間で測定された足圧中心偏移から得られるバランス能力を比較した.〔結果〕投手では,健常男性に比べ,足圧中心偏移が有意に減少した.投手において,股関節の最大屈曲時では通常の角度の時に比べ,足圧中心偏移が有意に増加した.〔結語〕通常のwind-up姿勢ではバランス能力に優れる投手においても,股関節屈曲角度の増加はその能力を低下させる.