2014 年 29 巻 1 号 p. 13-17
〔目的〕動作課題に対する姿勢選択能力が歩行速度に与える影響を明らかにすることを目的として横断研究を実施した.〔対象〕地域在住健常高齢者120名.〔方法〕動作課題はseated side tapping test(SST)とした.姿勢選択能力は対象者が足幅を自由に決定するSSTと,足幅を30cmに規定したcSSTに要した時間の比で算出し,最大歩行速度との関係について検証した.〔結果〕姿勢選択能力が高い群と低い群の比較では,高い群の最大歩行速度が有意に速く,また,最大歩行速度を従属変数とした重回帰分析において,姿勢選択能力が有意な変数として選択された.〔結語〕健常高齢者において,姿勢選択能力が歩行速度に影響を与える重要な因子の一つであることが示唆された.