2014 年 29 巻 2 号 p. 173-175
〔目的〕本研究の目的は,筋性拘縮を起こした骨格筋に過伸張を加えた時,損傷を受けやすい部位を形態学的評価から明らかにすることである.〔対象〕8週齢のWistar系雄ラット6匹を用いた.〔方法〕ラットの左後肢を足関節最大底屈位に固定した固定肢,無処置の右後肢を対照肢とした.4週後,全てのラットヒラメ筋に筋が破断するまで引張試験を実施し,ヒラメ筋の破断位置について検討を行った.〔結果〕固定肢の伸張距離と発生張力は対照肢よりも有意に低下していた.固定肢と対照肢のヒラメ筋の腓骨頭から破断位置までの距離に有意差はなかった.〔結語〕筋性拘縮の起こった骨格筋は筋長の短縮が起こっており,破断位置が正常な骨格筋よりも筋中央付近になることを示唆した.