抄録
〔目的〕後方への外乱負荷応答時における母趾屈筋活動について,加齢による影響や身体重心動揺との関係を明らかにすることとした.〔対象〕地域在住の高齢者16名と若年者10名とした.〔方法〕外乱時の後方ステップ動作を4期に区分し,各期における母趾外転筋活動と身体重心動揺を計測した.母趾外転筋活動に対する年代とステップ期の影響について,二元配置分散分析により検討した.さらに,身体重心動揺との関係を分析した.〔結果〕年代とステップ期の間に交互作用を認めた.加えて,外乱応答時の骨盤重心の前後方向加速度と母趾外転筋活動量との間に有意な負の相関関係を認めた.〔結語〕後方への外乱応答時における母趾外転筋の相対的負担度は高齢者で大きくなることから,その活動量と骨盤部の安定性との間に関連性があることが示唆される.