2014 年 29 巻 2 号 p. 207-212
〔目的〕超音波画像診断装置を使用して体幹回旋運動時における腹部深層筋の動態を究明すること.〔対象〕下肢・体幹に障害のない健常者10名,および慢性腰痛症例6名とした.〔方法〕座位にて下部体幹を回旋させることが可能な装置による他動的な回旋と,随意的な回旋を実施した.課題中における腹横筋の筋厚の変化を健常者と慢性腰痛症例との間で比較した.〔結果〕体幹回旋運動に対する腹横筋の一側性の筋厚増加が健常者では認められ,慢性腰痛症例においては認められなかった.〔結語〕観察された健常者と慢性腰痛症例の腹横筋活動の違いは,体幹回旋に対する腹横筋の関与と,健常者と慢性腰痛症例における腹横筋の機能性の違いの一端を示唆する.