抄録
〔目的〕ブリッジ運動時の足底への荷重率と股伸展角度(角度),起立と移動能力との関連性を疾患別に検討した.〔対象〕大腿骨頸部骨折患者(頸部骨折者)47名と脳血管障害患者(CVA者)36名とした.〔方法〕起立と移動の視点ごとにその能力により群分けし両脚,片脚ブリッジ運動での荷重率と角度について群間で比較した.またCVA者ではBrunnstrom stageによる比較も行った.〔結果〕両疾患者ともに起立と移動のいずれも両脚,患側ブリッジ運動での荷重率と角度の能力による差がみられ,CVA者の非患側ブリッジ運動での荷重率と角度は有意な差を示さなかった.Brunnstrom stage別ではstage VIで起立と移動能力の高い者が多かった.〔結語〕CVA者の非患側ブリッジ運動での荷重率には動作能力が十分に反映されていない可能性がある.