抄録
〔目的〕高齢者の転倒恐怖感とバランス機能および体型との関係を明らかにすること.〔対象〕介護予防普及啓発事業に参加した高齢女性71名.〔方法〕転倒に関するアンケート調査と重心動揺検査を実施した.アンケートは転倒恐怖感,転倒または転倒インシデント,疼痛の有無を聴取し,体型はBMIに基づいて分類した.〔結果〕転倒恐怖感は転倒インシデントの有無による差を示さず,肥満体型の者で有意に大きかった.また転倒恐怖感は開眼単位軌跡長と有意な相関を示し,重回帰分析では開・閉眼単位軌跡長が関連因子として抽出された.〔結語〕転倒インシデントは必ずしも転倒恐怖感に影響せず,体型や重心動揺速度による影響が示唆される.