2014 年 29 巻 3 号 p. 421-424
〔目的〕端座位での側方体重移動時における骨盤の側方傾斜と移動側股関節外転筋群の関連を明確にするため,一側殿部への荷重量がこれらの筋の筋電図積分値に及ぼす影響を検討することとした.〔対象〕健常男性16名(平均年齢27.1 ± 6.6歳)とした.〔方法〕端座位より一側殿部の荷重量の総荷重量に対する比率を変化させて,移動側中殿筋・大腿筋膜張筋・大殿筋上部線維の筋電図を測定し,各筋の課題間での筋電図積分値相対値を比較した.〔結果〕筋電図積分値相対値はすべての筋で荷重量85%まで有意に増加した.中殿筋と大腿筋膜張筋では荷重量90%以上で有意に減少した.〔結語〕端座位での側方体重移動に伴う骨盤の側方傾斜を促すには移動側股関節外転筋群の関与が重要である.