2014 年 29 巻 3 号 p. 425-430
〔目的〕着地動作における下肢不良アライメントに伴う前十字靭帯損傷の予防のため,体幹筋活動が下肢アライメントおよび下肢筋活動へ与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕下肢に整形外科疾患を有さない健常女性8名.〔方法〕片脚着地動作において,内腹斜筋および多裂筋の活動量の強弱で分けた試技間で,指示前後での下肢アライメントおよび,下肢筋群の活動性の変化を比較した.〔結果〕体幹筋活動量がより高い方の試技では,他方の試技と比べ,正常値からの大腿脛骨角変位量が有意に小さかった.また,大腿直筋と大腿二頭筋に,体幹筋活動との相関が認められた.〔結語〕sitting draw-in による内腹斜筋および多裂筋の活動性向上は,着地動作における大腿四頭筋および大腿二頭筋の活動性向上と,下肢不良アライメント是正に関与していることが示唆された.