2015 年 30 巻 1 号 p. 85-89
〔目的〕目的は,前十字靱帯再建の既往を持つ女性の降段動作における下肢の運動学的特性を明らかにすることである.〔対象〕前十字靭帯再建の既往を持つ女性11名14膝,対照群として健常膝女性13名13膝とした.〔方法〕三次元動作解析装置を用い,再建側の支持期における股・膝・足関節それぞれの3軸角度を計測した.また,安静立位時の同関節の角度についても計測した.〔結果〕ACL群は対照群と比較し,支持脚の股関節の最大内旋ROM(降段動作時の角度-両脚立位時の角度)において有意に大きい結果となった.〔結語〕前十字靭帯再建者は,降段動作において股関節内旋により膝関節に及ぶ負担の増大を回避している可能性が示唆される.